2011年3月2日水曜日

禁止令

こどもにとって重要なのは保護と愛情ですが、感受性の強いこどもは、一層敏感なので影響も大きいものです。敏感な子には、言語、非言語を問わず親のメッセージが強く浸透します。「お前は悪い子だ」というネガティブなメッセージは、「お前は生きる価値がない」というように届く場合があります。これが禁止令になって「お前は生きてはいけない」が入り込むと、病気がちな子になることがあります。破壊行為、自傷行為に走る原因になることもあります。

 禁止令とは「・・・・してはいけない」と命令です。ほとんどの場合、親・保護者から受けたメッセージで、彼らの固定化した考え方で、愚痴や小言を通してインプットされます。それは彼らが体験を通じて思い込んだことですが、その体験もまた禁止令の拘束を受けた行動の結果のものであると言えます。

 離婚など離別は親の問題ですが、こども特有の万能感が裏目に出て、自分の責任と受け取るこどもは少なくありません。すると「異性と仲良くしてはいけない」というネガティブで強い「禁止令」が効いてしまうこともあり、成人しても異性とのトラブルが絶えない人生を過ごすようになったりします。

 特に女性の場合、母親の入り込み方が強く、自分の身代わりのように母親が関わる傾向が強く、男性が父親から受けるよりも影響が強いので注意が必要です。双生児のようと言われる母娘の関係は仲睦まじいという点では理想でも、危険が含まれていることに注意しましょう。

禁止令のサンプル
・ お前は身体が弱い。働いてはいけない
・ お前は頭が悪い。勉強してはいけない
・ お前が男であることに落胆した。男らしく振舞うな
・ 人は働くために生まれた。楽しんではいけない
・ お前には取柄がない。自分を大事な人間だと思うな
・ 泣く子は嫌いだ。自然な感情を表してはいけない
・ なにもするな。世の中は危険がいっぱいだ。
・ 異性は信用できない。愛情を求めてはいけない。

禁止令は、次のような簡単な言葉になって人の心にしみこんでいるのです。

禁止令を後押しする言葉の例
・ (母親から)のろま
・ (父親から)不器用
・ (祖母から)やせっぽち
・ (姉から)口下手
・ (兄から)泣き虫
・(幼稚園の先生から)甘えん坊
・(小学校の先生から)音痴

さらに客観的に観てふさわしくない信念のように固定化した考え方が、世の中の常識のように繰り返し伝えられます。

・異性は信用できない
・人間関係なんていい加減なものだ
・兄弟(姉妹)は他人みたいなものだ
・商売は難しい。失敗が関の山

 女の子が欲しかった親が、男児に向かって「女の子だったらねえ」というようなメッセージを多発すると、「男であってはいけない」という禁止令のもとで、性の混乱が起こることも少なくありません。

禁止令によって「行きたいけれど、行きたくない。行ったところで、私にはいいことがない。」「やりたいけれどやりたくない、どうせ失敗する。」「愛したいが愛せない。どうせ私は裏切られる」というように考える癖がついてしまうのです。

これでは意思決定ができなくなります。それが慎重という点でいい場合もありますが、デメリットになる場合の方が多いようです。禁止令が働いていてネガティブな面を選択する癖があるからです。

 禁止令の背景には自己否定感、他者否定感の構えがあるため、ネガティブな面を後押しします。禁止令が働くと、真の欲求であるポジティブ面が抑圧され、ネガティブな面が表面にでてくるので、自分の真の欲求に率直に従えなくなります。

禁止令の背景には自己否定感、他者否定感の構えがあるため、ネガティブな面を後押ししますが、それによってますますうまくいかないことが出てきて、その失敗からまずます自己否定感が強まります。

他者否定感は自己否定感の裏返しである場合が大半で、他者否定感を持って他者と接していると、関係性は悪くなりこじれ自己否定感を強める結果を迎えます。その繰り返しは悪くなる一方になります。
禁止令が人間関係の基本的な構えにも悪い影響を与え続けるのです。

人間関係の構えは以下のように4つあります。

・ 自分はOK、あなたもOK (自己肯定・他者肯定)
・ 自分はOK、あなたはNO (自己肯定・他者否定)
・ 自分はNO、あなたはOK (自己否定・他者肯定)
・ 自分はNO、あなたもNO (自己否定・他者否定)

この内、否定のないポジティブなものはひとつしかありません。「自己肯定、他者肯定の自分はOK、あなたもOK」だけです。つまり大雑把ですが、1/4、25%の人しか自己実現できないという計算です。実際にはもっと少ないでしょう。

 幸福な人間関係を築くには、両者が 自分はOK、あなたもOKの構えでいて、実行していることが条件です。このような両者が家庭を持つと家族は健全に機能して、こどもも自分はOK、あなたもOKの構えで成長していきます。

 もし、不幸にして自己否定、あるいは他者否定の構えを持っていたとしたら、変更するように努力しましょう。パートナーには 自己肯定・他者肯定の構えを持つ人を選ぶのが賢明です。 自己肯定・他者否定、あるいは 自己否定・他者肯定の人をパートナーにすると苦労は絶えず関係もこじれる場合も少なくありません。

否定的な人を見分けることは、さほど難しいことではありません。彼らがラケットという手法を使うからです。

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