2011年3月18日金曜日

【トリッキーな交流】責任転嫁

 「責任転嫁」は、自分の不始末、ミスを他者のせいにするものです。
よく見かけることの多いトリッキーな人間関係をこじらせるゲームです。
一概に「責任転嫁」といっても、レベルはさまざまで、主なものには次のようなものがあります。

・夫婦間の責任転嫁
・こどもの問題で、父親と母親の間で行われる責任転嫁
・若者が自分の非を社会、学校などのせいにする責任転嫁
・病人が症状の悪化を家族や治療者、病院のせいにする責任転嫁
・親、兄弟なのが自分の過ちをこどものせいにする責任転嫁
・家庭内暴力、幼児虐待に発展した責任転嫁
・自分が依頼した人が期待通りの結果を出さなかった場合の責任転嫁

 共通しているのは、本来は自分に主導権があるということ。にもかかわらず実行できない場合、その理由を他者の責任にする点です。

自分が主体性をもって実行すればいいのに、しないでおいて、その責任を他者に押し付ける。なかでも「自分が依頼した人が期待通りの結果を出さなかった場合の責任転嫁」は上司と部下の間で頻繁に起こることですが、部下の責任にするには結果的に信頼を失います。上司と部下の間では、ほとんど上司側に責任があるものです。

 特に指示の曖昧さは問題になります。どのようにも解釈できる指示は、後になって「そのくらい○○○○と解釈するのが当たり前でしょう」と言っても、出した方に責任があります。誰が聞いても同じ解釈するように考えて指示するのが上司の責任です。

 相手の罪意識を刺激して、自分の罪意識を転化するのも、巧妙でトリッキーな責任転嫁です。これをやる人は日頃から自分がするべきことをしないでおいて、問題が生じると他者の欠点を指摘して攻撃するのが得意です。自己顕示欲の強い上司に多く見受けることができます。相手が悪いことをしたと意識するように、過剰なまでに迷惑をかけたかのように追求されます。みじめな思いにさせられますが、そのみじめさこそ攻撃している自分自身の罪意識なのです。

劣等感が潜んでいる嫉妬心からも同じことが起こります。ある女性店長は、自分に関心を示さず部下(女性)に恋愛感情を持っている男性客と部下に嫉妬心を持っていました。職場ですので公私の区別をつけるべきですが、部下に好意を寄せている男性客が贈り物をしたのを見つけると烈火のごとく男性客に詰め寄り、行為をなじりました。その一連の動きにただならぬ気配に男性客も部下も異様さを感じました。

一般常識があり、お店の女性への気配りから、言われるままにしていましたが、公私の逸脱があったとは言うものの、それほど問題ある行動をしたと思えない男性は、みじめな気持ちにさせられることに不思議な気持ちになっていました。女性店長は若くてスタイルもよく美人の部下に嫉妬し、男性客に憎悪の感情を持っていたのです。自分の劣等感を男性客に投影していたのです。その投影は日頃から能力が高くもないのにキャリアウーマン気取りで派手な毎日を過ごすツケとしての業績の低迷と管理不足の罪の意識から生じた責任転嫁と自己弁護を目的にしていたのです。

責任転嫁はただ責任を他者に転嫁するだけでなく、隠したい感情も他者のものにするトリックが潜んでいるので、こじれたときには、なにが起こっているのか不透明な分だけ不愉快な感情が残りやすいのです。

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