基本的な構えに「自己否定」または「他者否定」があると愛情の希求も、率直さを失いネガティブなものになります。
愛情はポジティブな性質のものなので、いかなる理由であっても、ネガティブな愛情関係は、決していい結果になることはありません。愛情行動で感情を言葉で表現できない人、使えない人の場合、ラケットを使って行動をせずに相手に行動させることが多くなるのでトラブルに発展する確率が高くなります。
ラケットは精神世界を破壊するギャングのようなもので、相手を支配するために使いますが、同時に自分を縛りつけてしまい、小さなことでも積み重なると人生を狂わせてしまいます。
嘘もその範囲に入ります。
嘘はネガティブなものですが、いくつか目的の違いがあります。
相手をだまして利益を得るもの、
自分を守るためにつくもの
相手を守るためにつくもの
気を引くためのもの
相手を困らせることで気を引こうとすると人がいます。しかし、いくら気を引いても、気を引くことは目的ではなく手段でしかないので、願望が達成されるわけではありません。このような発展を閉ざした関係の先にドラマティックな脚本のひとつ「共倒れ」があります。
「共倒れ」とは、愛情を希求する両者の間で起こる「共依存」が原因のトラブルです。やりきれない事実を抱えて救いを求める者と助けようとする側の忍耐と愛情によって成立します。
父親と幼くして離別して、その問題が未処理な女性がいました。表面的には何の問題もなく健康的に見えても、痛々しさを敏感に察知する者がいるものです。一方、女性は男性に丸抱えの役割をさせる魅力を備えていました。
この両者が教師(男性)と生徒(女性)という関係で出会いました。コケティッシュな態度、ネガティブな態度で男性の心を奪いました。男性はセクシャルな問題よりも、助けてやりたい思いが強かったのですが、相手との間でなにが起きているか、徐々に見えなくなってしまいました。相手が求めている愛情の質も混乱してきます。
やがて男性は、献身こそが得られなかった父親の愛情であり、女性が求めるものであり、彼女の空白を埋めるものだと強いこだわりを持つようになったのです。自分がするべきことは父親がしなかったことの補足だと考えたのです。男性は第三者の目で客観的に自分を観ているつもりで自分のコントロールができている考えていました。しかし女性の行動はが、手段が目的化していくにつれ、男性が自分を失ったのも確かでした。両者それぞれに手段が目的化してしまったのです。
「丸抱え」は非常に難しい問題です。描くイメージが「美談」であっても、実際には非常に困難です。限りのない献身はほとんど不可能です。背景に根強い「不信」がある場合は一層困難です。
関係が深くなるほど、相手のペースに巻き込まれ、ついにはお手上げの状態に追い込まれ、最後には相手が持っていた「不信」を強める結果になり、さらに強い支配欲を持たせてしまう原因になる可能性が高いのです。
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