距離感
心理学でよくつかう言葉に<近接性>があります。
世界で起こっている惨事のほとんどは、物理的にも、心理的にも「近く」ないので痛みに共感するのが難しい相手、こと、ものです。
聞こえているのか、聞こえていないのか、どっちにしても緊急性を感じていないことは確かです。
もし、自分や家族が乗っていたら、お願いだから一刻でも早く病院についてほしいと願うはずです。
なぜなら、なにが起こっているのか、事態を知っているからです。
<曖昧さ>は行動の違いになります。
宇宙から撮影した地球の写真を見て、美しいと思うかも知れませんが、特定の山河ほどの美しさを感じません。
同時にそこで2DKの一室で児童虐待が起こっていることも見えません。
心理学で「焼け石に水効果」と呼ばれている現象があります。
自分ひとりが頑張ったところで、なにができる。。。このように感じて、行動しないのが「焼け石に水効果」です。
「一体何ができる?自分ができる程度のことで何が変わる?」
大きな手助けを必要としている状態を前にして、自分一人の力はあまりにも微力すぎて、絶望的な状況は変えられないと考えると、感情のスイッチを自らオフにします。
<距離感>、<曖昧さ>、<無力感(焼け石に水)>
この3つが、東日本大震災で被害を受けた人々への援助の手をすくませてしまいます。
つまり、自分を育む手をすくませているタグ(要因)と同じなのです。
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