2015年11月29日日曜日

苦悩する恋

緊張のない恋愛関係が好きな人がいます。それこそが恋愛だと思い込んでいる人がいます。恋愛で苦悩することは本当の恋愛でないからだと思い込んでいる人がいます。なるほど楽です。しかしこの楽さがお互いをダメにしていくのです。

たまたま告白されたから付き合おうかなと考えて彼、彼女になったカップルがいます。こういう人に、恋愛について想像することはできないし、はたして恋愛する必要があるのかとさえ思ってしまいます。

なぜなら恋愛は人をまるごとの飲み込んでしまうモンスターであり、破壊することもある狂気です。様々な悩みや不安を通して愛情も人も成長するものです。そんな面倒なものいらないという恋愛は単なるエンタメでしかないのです。



普通でないことだからこそ、男性の愛情によって自分が女であることを意識した女性は、その刺激によって心の中に柔らかな思いやりや優しさが溢れて自分が特別な存在だと思えるようになります。

仕事でささくれ乾いた肌を癒すように特別な存在だと意識できるようにしてあげるのが男の役割です。つまり男は自ら嫉妬しなければいけない危険に踏み込むということです。なぜなら女性らしさがあふれる魅力を持った女性は他の男性からも注目されるからです。

もちろん女性は愛する彼に注目されることが一番うれしいし、それを想像するだけでも胸が高鳴るものですが、それは同時にますます多くの男性から注目されることを意味します。

同じことは男性にも言えることです。お互いに魅力的であれば、誰かがアプローチをかけてくる安心できない状況に身を置くことになるので嫉妬心が生まれるものですが、どれほどモテようが、相手にせずに、お互いの愛情を高めるのが、まごころであり、最高の快楽に辿り着く方法なのです。

そのプロセスでは、傷だらけになることは避けられないでしょう。恋愛はプラスティック製のマグカップのようにピカピカというわけにはいかないのです。

それは子どもが親の愛を確かめながら育っていくように、目に見えないつながりに不安を感じる、自分に自信が持てないから、お互いの愛を確かめながら育てるように小さな傷を負うことが避けられないからです。

犬が首輪を外してもらって飼い主と一緒に散歩していました。
犬は飼い主に離れて自由を楽しんでいるように見えます。飼い主が近づいて名前を呼ぶと犬は吠えたかと思うと、逆方向に向かって走っていきます。

飼い主はさらに名前を呼びます。しばらくすると犬はまた吠えてから様子を伺い、飼い主の方向に向かって歩き出します。この犬の行動は迎えに来てくれた親に対する幼稚園児の行動によく似ています。

なぜ、子どもは親とは反対の方向に向かって逃げていくのでしょう?
この質問をこれから子どもを育てるだろうと思われる女性に投げかけてみると「正解」を出せる人にほとんど出会いません。

「子どもはもっと遊びたいから」、「帰りたくないから」
「どこまで許してもらえるか確かめている」・・・
そうではありません。

子どもは親が言うから「幼稚園」に行き、親から離れて過ごしているのです。大好きな親の言う通りに今日も頑張ったことを認めてほしいのです。

親を困らせているのは、「こんな自分でも愛されるのか」「親を信頼して大丈夫ですか』と聞いているのです。彼らは親の愛なしには生きていけません。成人と違って親はまさしく命綱なのです。

しかしほとんどの親は子どもの気持ちがわかりません。ひどい場合は無視したり、怒鳴っています。
このように命懸けの問いかけに答えてもらえないとき、子どもは傷つきます。

子どもはわがままいっぱいのように見えても、小さな傷をいっぱい受けて育っているのです。

同じことは、恋愛関係で繰り返し起こります。
私のこと、ホントに好き?」と尋ねる女性の心理はどうでしょう?

黙っていても、愛情を注がれることがとっても大切なのです。

子どもが「お母さん。あなたの愛は変わりませんか?」と声にならない声をあげる前に
「安心して、お母さんの愛は決して変わらないのよ」と子どもに全身全霊で伝えてあげることが、育てるということなのです。

同じように、男が女性に
自分が特別な存在だと思えるように、全身全霊でしてあげることが愛を育むということです。




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