現状のエゴグラムを見るだけでは単なる情報止まりです。こうありたい自分のエゴグラムを作り、現実の自分にすることにエゴグラム作成の意義があります。
エゴグラムは次のように4つ用意しましょう。
- 自分が採点して作る自分のエゴグラム
- 他者が採点して作る自分のエゴグラム
- 自分が採点して作る父親のエゴグラム
- 自分が採点して作る母親のエゴグラム
作業の最初は、まず現状の自分を知るために、「自分が採点して作った自分のエゴグラム」の分析をします。
P,A,Cのバランスがどうなっているかに注目してください。特に顕著な偏りがないか気をつけます。
次に「両親のエゴグラム」と比較してください。
人は両親の影響を強く受けますので、なりたい自分をめざす上で、両親のエゴグラムと比較して、自分が誰からどのような影響を受けているのかを知り、自己改造のヒントの手がかりにするのは良いでしょう。
次に、自分が採点したエゴグラムと他者が採点して作ってくれた自分のエゴグラムを比較してみてください。類似点、相違点をあきらかにして自己評価をしましょう。この評価は自己改造に大きく貢献しますので、念入りに行いましょう。
3つのステップを通して比較、検討を重ねて「理想とする自分」のエゴグラムを策定できるようにしていきます。エゴグラムは不変ではなく、その時々の心理状態で変動します。特に自身の身の回りに著しい変化が起こった場合には、エゴグラムも様変わりします。大病、入院などすると心境の変化からすっかり変わってしまうことがあります。
理想の自分と現実の自分の違いを検討する場合にチェックしていただきたいのは、
- その違いを修正するために、具体的にどのような行動をしたか?
- 現在、違いを修正するために、具体的にどのような行動をしているか?
- 理想の自分に近づくために、今からできることになにがあるか?
- 自分の理想とする生きかたを、現実に実行している人がいるか?
- どのような支援があれば、理想とする自分に近づけることができるか?
次の図はAさん(仮名)のエゴグラム4種類です。
- 自分が採点して作る自分のエゴグラム
- 他者が採点して作る自分のエゴグラム
- 自分が採点して作る父親のエゴグラム
- 自分が採点して作る母親のエゴグラム
このように自分自身が評価したものと、友人2名、自分が評価した父母のものです。これらを分析して自分が理想とする自分のエゴグラムを作成してみましょう。
理想とする自分のエゴグラムの作成は日常の生活を通じて、能動的かつ自律的に自分を変える処方箋となります。
この時に特に注意すべきは、「厳格な父親」と「従順な子ども」の強弱です。
この2つが強いほど、「保護的な母親」、「自由な子ども」が弱いはずです。つまり柔軟性が乏しく、我慢の多い生活を繰り返しているので、真面目に見えますが、裏返すと日常的に自分や周囲の人に無理強いしている姿が浮かびます。
処方箋は「厳格な父親」「従順な子ども」の代わりに「保護的な母親」「自由(無邪気)な子ども」を育みます。その方法は言葉、態度を意識的に変えることです。
「保護的な母親」を育む言葉
相手の気持ち、感情を認める言葉を多用する
- よくできたね
- そこがあなたのいいところですね
- いい趣味ですね
- 最近、どうですか
- あなたは私の(我が家の、我が社の)大事な人ですね。
- つらいですね、悲しいですね、いやですよね
「厳格な父親」を減らす言葉
- あなたの問題だろう
- あなたのせいだ
- どうにかしろ、なにやってるんだ
- 当たり前だろ
- ダメだろ
- しっかりしろよ
「厳格な父親」を減らす態度
- こまかいことまで注意しすぎない
- 約束を守れなかった場合や間違いに感情的にならず理由を聞く
- 最後までやり遂げられるようにプロセスに注意しプロセスでサポートする
- 良い点に注目して、いたずらに厳しくしない
- 助けの手を貸さない
- 減点主義でユーモアがない
「保護的な母親」を育む態度
プラスのストロークをギフトする
- 好ましい点をほめる
- 個人的な関心を示す
- 適切な機会をとらえて小さな贈り物をする
- 相手のネガティブな言葉や態度に反応しない
- セルフコントロールを支援する
- 遠慮していると感じる場合にサポートしてあげる
「自由(無邪気)な子ども」を育む言葉
- それはおもしろそう
- やってみましょう
- 私も仲間に入れてください
- 美味しいですね
- ユーモア、冗談を増やす
「自由(無邪気)な子ども」を育む態度
- 空想を楽しむ
- 楽しい気分に浸る
- 芸術・スポーツ・映画を楽しむ
- 不快感に時間を多用しない
- 人生や人間の明るい面に注目する
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